2006年11月25日

「子育て」と「介護」の共通の”しんどさ”

「介護」をしていて一番辛いのは、物理的な大変さよりも、本当は「介護」という場面に映し出される「自分のおぞましさ」」を見なければいけないことだ。
(中略)
私は自分のことを「優しい人間だ」と思ってきたし、人からもよく言われてきたのだ。
ところが「介護」をしていると、優しくない自分がむき出しになる。

(中略)
「ああ、なんて、私っていやな人間なんだろう。ああ、エゴイズムの塊だあ」
私は自分の中にある悪意に愕然として、そういう自分が許せなくて、深夜に一人、号泣したりしたのだ。



久田 恵さんの「家族を卒業します」の一文です。


私はこの文章を読んで、「育児」のしんどさとの共通点を思いました。


子育てを経験して「自分って、思ったより子どもが好きじゃないんだ」と気が付いたという声も聞きます。
そして、それに気が付いたときにショックだったと。。。
「母親は無条件に子どもを愛するものだ」という一般的な真理が、そういう心をより苦しめることも珍しくありません。


介護地獄」を作っているのは、福祉がひどいせいだ。という声を頻繁に聞くけれど、
「介護」にかかわる私たちのエゴイズムを克服する価値観を、共に見つけ出す努力もしないままに、そのことに苦しみもしないで、皆のいやなことを肩代わりするだけの思想のない施策ばかりを求めて、結局は自分たちの日々をシアワセじゃないものにしてしまうのではないかしら?



育児の問題もそうだと思います。
働くお母さんにも子育てしやすい施策や環境を整えてあげるだけでは、「育児の悩み」は解決しないと思います。

育児をする上での本当の「心のしんどさ」を、共感・理解し見守り寄り添う”温かい視点”がベースにあって初めて、そういう施策が生きてくるのだと思います。

「介護」も「育児」も、自分と向き合う作業という意味では共通しています。

心がしんどくなったとき、どうか自分を責めないでください。
「ありのまま」の自分を受け入れること・・・いつも心に留めておきたいですね。
「子育て」と「介護」の共通の”しんどさ”


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この記事へのコメント
>私は自分のことを「優しい人間だ」と思ってきたし、人からもよく言われてきたのだ。
>ところが「介護」をしていると、優しくない自分がむき出しになる。

これ、ありますね。
私も「優しい」とよく言われますが(←自分で言うな(笑))
たまに、なんでもないようなことで不機嫌になってしまい、そんな自分に自己嫌悪してしまうことがあります。
そんなとき、「あ~なんでこんなことで不機嫌になってるんだろう」って、ますます自己嫌悪スパイラルに陥ってしまいます。
でも、そこで自分を責めるのでなく、ありのままの自分を受け入れるのですね。
Posted by 青い夜 at 2006年11月26日 17:12
青い夜さん、言われていること、良くわかります。

「自分」というのは、他者を通じて”どんな人間か”わかるものですが、家族など近しい人間との関係では、それが顕著に出ますね。

「ありのまま」の自分を受け入れることは、一生の課題なのかもしれませんね。
Posted by 山羊 at 2006年11月26日 19:33
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プロフィール
山羊
四年間のアメリカ生活を経て帰国後、パートナーと別々の道を歩くことを決心しました。
当時、思春期の子ども二人を抱え、葛藤の日々でした。
「一人で子育て」をすることから感じた、日常を綴っていきます。
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